登山中に熊よけ鈴をチリンチリン鳴らしながら歩いてる人いるけど、アレって意味あるの??
↑こんな疑問に登山歴9年のボクがお答えします。
そもそも熊よけ鈴とは音を出すことによって、熊が寄り付かなくすることに期待されて長年使われてきました。
しかし、熊よけ鈴を携行していたのにも関わらず熊に襲われる被害が頻発したことによって、熊よけ鈴の効果が疑問視されるようになりました。
2017年の毎日新聞の記事に↓のようなものがありました。
出典:毎日新聞2017/6/1
環境省の『熊に注意!』では
・クマに自分の存在を知らせる
↳クマ鈴など音の出るもので存在を知らせましょう。
とありますが、毎日新聞の記事を受けると、音を出して自分の存在を知らせるのは正解なんだろうか?と疑問がでますよね。
昨今の熊によるニュースを受けて改めて熊に対する知識や、対策を考える必要があると感じたのでこの記事を書くことにしました。
熊よけ鈴は意味あるの?
現時点では熊よけ鈴が熊対策に効果があるか、という問題に対しては専門家の間でも意見が分かれていて、効果があるという人もいれば、音によって熊を引き付けることになるから逆に危険だという人もいます。
熊は聴覚が優れていて小さな音でも聞き分けることができるのですが、その能力が人にとって吉と出るか、凶と出るかはその熊の個体差によるところがあるのでしょう。
いずれにしても、熊よけ鈴をつけていても襲われたという事例があるように、”熊よけ鈴をつけていれば安心”という認識は改めたほうがいいでしょう。
被害件数
環境省の『熊による被害件数』のデータだと、熊による被害は直近の10年だと40~130件ほどで推移しています。
平成30年の被害件数が48件なのに比べて、翌年の令和元年だと133件となっています。
なぜ1年で約3倍の被害件数になるのでしょうか。
それは熊の食べ物が不足することによって被害が拡大するようです。
主食であるどんぐり類が不足
↓
熊が行動範囲を広げる
↓
人里に近づく
↓
被害が拡大する
このような形で熊の主食であるどんぐり類が不作の年は被害が拡大する傾向があるようです。
熊の分布図
日本にはヒグマとツキノワグマが生息しています。
下図を見てもらうと、熊の生息域は東日本に偏っていることがわかります。
九州には熊が生息していませんので、そもそも熊への対策は不要ですね。
もちろん熊以外の動物は生息していますのでそちらへの対策はしてください。
出典:環境省『熊の分布図』
熊に出会ってしまったときの対処法
熊に出会わないことが1番ですが万が一出会ってしまった場合はどうすればいいのでしょうか。
以下の2点を試してみましょう。
- 刺激をしないように後ずさりする
- 熊撃退スプレーを使う
まずは定説通り「熊の方を見ながら刺激せずにゆっくり後ずさりして逃げる」が有効かと思われます。
実際にこの行動で事なきを得た人がいますので実践してみましょう。
熊と近距離まで接近してしまった場合は熊撃退スプレーを使いましょう。
熊撃退スプレーは熊の頭部に噴射することによって目や鼻、口から入り激痛を与えることができます。
熊に遭遇したら死んだふりをしたほうがいい、などという話が出回っていますが逆に熊の興味をそそってしまったり、エサと認識されてしまう恐れがあるので絶対にやめましょう。
まとめ
この記事では熊よけ鈴の効果について記述しました。
熊よけ鈴の効果は不確定要素が多いので、それだけに頼るのはオススメしません。
熊対策を考えるのならスプレーの方が効果的だと思いますので、熊が生息する山に行くのならスプレーを携行しましょう。
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