「さぁ、登山を始めよう。」と思ってまず買うものは何でしょう?多くの人が登山靴を選択するのではないでしょうか。ショップに買いに行き、店員さんに登山靴を探していると伝えると、まず初めに薦められるのはミドルカットかハイカットの登山靴でしょう。今まではこれが当たり前でした。しかし、これが少しずつ変わってきています。ローカットモデルの登山靴がじわじわと人気を獲得してきているんです。
今回はなぜローカットシューズの人気が高まってきているのかを解説し、あわせてローカットシューズの選び方もご紹介させて頂こうと思います。
この記事を書いているボクは
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■登山歴9年
■登った山は富士山、宝剣岳、石鎚山、八経ヶ岳etc..
■春から秋にかけて月に1~2回を目標に登山
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登山靴の種類
なぜローカットシューズが流行っているのかを知る前に、まずは登山靴にはどのようなタイプがあるのかについて説明させていただきます。
足首をどの高さまでカバーするかによって登山靴は3つのタイプに分けられ、ハイカット、ミドルカット、そしてローカットタイプに分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
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【ハイカット】
ソールが硬く、足首までガッチリ固定されるタイプで、強度の高いシューズです。しかし、その堅牢性と引き換えに重い作りになっています。岩場が多い場所や長時間の歩行に向いています。
【ミドルカット】
ハイカットとローカットの良いとこどりのシューズで、足首はしっかり固定してくれますが、ハイカットと比べると柔らかい作りになっています。その履きやすさから登山初心者はミドルカットを買う人が多いようです。
【ローカット】
ハイカットやミドルカットと比べると軽く、足首の固定感がないのでスニーカーのような感覚で履くことができます。登ったり下ったりが少ない道や短時間の歩行などでの使用が多いようです。
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特徴だけを見ると「ローカットはあまり登山向きではないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。ウェアやギアなどと同様に登山靴にもしっかりと技術革新の波が来ていますから、今回はローカットシューズの魅力をしっかりとお伝えしていきますね♪
なぜローカットシューズが流行りそうなのか
登山靴の種類について確認したところで本題に入りましょう。なぜ初心者にオススメのミドルカットや堅牢性の高いハイカットではなく、ローカットシューズに人気が集まっているのでしょうか?
その理由は2点あると考えていて、それがこの2点です。
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・トレイルランニング人口の増加
・登山靴の機能性の向上
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この2点について詳しく見ていきましょう。
トレイルランニング人口の増加
ローカットシューズが人気を集めているもっとも大きな理由はトレイルランニング(以下、トレラン)人口の増加にあります。トレランではどのようなシューズを使うかご存知ですか?そうです、ローカットシューズなんです。すなわちトレラン人口が増えれば増えるほどローカットシューズを使用する人が増えるという訳です。
厳密なことを言うと、トレランシューズとローカットの登山靴は見た目が同じように見えても、重量や全体の硬さなどに違いがあります。しかし、同じく山で使うことを想定して作られているため、トレランシューズをそのまま登山の際に使う人が増えているということです。
ではいったいどれほどトレラン人口が増えているのでしょうか?国内では有名なトレランの大会である「ウルトラトレイル・マウントフジ」の参加者数を見てみましょう。初開催された2012年の参加者が852人で、それが2018年には1580人にまで増えました。なんと6年間で倍近くまで参加者が増えているんです!
それに加え、2014年に日本能率協会総合研究所が発表した「トレイルランニングに関する実態調査」では日本におけるトレラン人口は2014年時点で20万、今後は70万にまで増加する見込みであるという発表をしています。
私自身振り返ってみると、登山を始めた2010年頃はトレランをやっている人をほとんど見かけることはありませんでしたが、ここ数年は登山へ行くと必ずと言っていいほどトレランをやっている人を見かけるようになりました。
トレラン人口の増加がローカットシューズの普及に一役買っていることは間違いなさそうです。
余談ですが、個人的に数年前からトレランやってみたいなと思う一方、走りながら滑って大ゴケするのが怖くていまだに挑戦できていません。体幹を鍛えればコケづらくなるのかな?誰か手取り足取り教えてください!(笑)
登山靴の機能性の向上
ローカットシューズの人気が上がっているもう一つの理由は、登山靴の機能が向上したことが挙げられます。みなさんGORE-TEXをご存知ですか?登山をしている人ならご存知ですよね♪
響きがとってもかっこいいGORE-TEXを簡単に説明すると、GORE-TEXとは防風性、防水性、透湿性に優れた素材の事なのですが、近年そのGORE-TEXが登山靴に使われ始めました。ローカットシューズはほかのシューズより柔らかい素材で作られていたため、雨や川での浸水に弱かったのですが、防水性能が加わりました。
GORE-TEXは靴やレインウェアだけでなく、帽子や手袋など身に付けるものにどんどん取り入れられ、今では防水と言えばGORE-TEXと言っても過言ではなくなりましたね。私自身、ウェア類を購入する際はGORE-TEX素材が使われているかを一つの判断基準として見るようになってしまいました。(^^)
GORE-TEXだけではなく、ソールにプレートを内蔵して歩行をサポートするモデルや、GORE-TEXとはまた違った形で防水性能を向上させるモデルも登場しています。科学技術の発達により非常に快適な登山靴が増えているようですね。
このような技術革新により、今まではミドルカットやハイカットでしかカバーできなかった部分が「ローカットでも防水モデルがあるなら問題ないんじゃない?」となって、機動力に優れたローカットシューズに人気が集まっているわけです。
ローカットシューズのメリット・デメリット
トレラン人口の増加や機能性が向上したことによりローカットシューズを使用する人が増えてきたことについてはお伝えしました。とは言え、カバーできない部分もありますので、改めてローカットシューズのメリット・デメリットを整理したいと思います。
メリット
ローカットシューズのメリットはなんといってもその“軽さ”でしょう。普段履きのスニーカーのような感覚で登山ができるので、自然な形で歩くことができます。逆に硬くて重いハイカットシューズだと一歩一歩が重く、足首が固定されてしまうので違和感を覚える人も少なくないはず。あとは“濡れても乾きやすい”こともメリットの一つですね。使っている素材の話ではなく、単純に体積が小さいから乾きやすいということです。地味だけど、雨や川でよく濡れる登山靴は少しでも早く乾くものがいいと思います。
個人的な意見だと、シュッとした見た目もローカットの良いところだと思います。ハイカットやミドルカットでレザーを使っている物もクラシカルで非常に良いのですが、どちらかと言うとハイテク志向なので最新の素材を使った軽い靴にグッと惹かれるものがあります(^^)
デメリット
今まで触れてきませんでしたが、もちろんローカットシューズにもデメリットがあります。
それは、“足首が固定されないことによって捻挫のリスクがある”ことと、“雨水が侵入しやすい”ということです。
足首が固定されないというのは自由であることの反面、どの方向にも動いてしまうということです。それがなぜデメリットにもなり得るかというと、岩場や斜面を歩く際にスリップや思わぬ負荷がかかる場合があります。その時に足首が保護されていないため捻挫をしてしまうリスクがあります。これが一つの理由です。
もう一つは、雨水が足首の部分から侵入してくることです。ハイカットやミドルカットであれば、多少の雨や水はねで靴の中に侵入してくることはありません。ですがローカットだとそもそも足首の部分はむき出しになっているわけですから、もろにダメージを食らう訳です(笑)。泥や砂ぼこりも同様です。しかしこれはゲーター(ズボンの上に装着するカバー)を装着すれば対処できますから、大きなデメリットと言う訳ではありませんね。
ローカットシューズの選び方
ローカットシューズについて特徴やメリットなどをお伝えしてきました。これだけ解説してきたわけですから、個人的にはその“軽さ”と“快適性”を気に入ってますし、みなさんも次買うならローカットシューズを視野に入れていただきたいと思っています。
ということで、私なりのローカットシューズを選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。
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- 情報収集(GORE-TEXがオススメ)
- 厚手の靴下を持って店舗へ行く
- 試し履き
- 購入
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基本的には他の登山靴を買うときと大きな差はありませんが、一番の違いはGORETEX素材のものを選ぶかどうかかなと思います。上記していますが、ローカットシューズは軽量な分雨水の侵入が不安要素ではあります。ですのでGORETEX素材を使用したシューズを選んだ方が幸せに登山が出来ると思います。
自分が欲しいシューズに目星をつけたら、実際に店舗へ行って試し履きをしましょう。この時に注意点として、実際に登山の際に使う靴下を持っていくことをオススメします。普段使いの靴下と登山の時に使う靴下は厚みが違うので、しっかりとサイジングしたいのであれば登山用靴下は必須です。
あと、可能であれば足のサイズを改めて測りなおした方が良いかも知れません。なぜかというと、自分が思っている足のサイズと実寸したサイズがずれていることが多々あるからです。
私も以前、登山靴を購入する際に店員さんに測ってもらったら(自己申告27.5cmのところ)「お客様は27.5cmではなく26.5cmでも全然入りますよー」と言われた経験があります。心のどこかで大きな足のほうがカッコいいと思っていたところがあったので、一瞬で奈落の底に落とされたよな気分になりました。あれは辛かった。(笑)
それは置いといて、しっかりと店員さんにサイズを見てもらったら、それを購入してミッションコンプリートです。おめでとうございます(^^)
完全なる趣味嗜好でオススメする3つのシューズ
せっかくなので私の個人的趣味全開で、カッコよくて性能が優れているものをピックアップしてみましたのでよろしければ参考にしてみてください。
王道ハイキングシューズ「MERRELL CHAMELEON 8 STORM GORE-TEX」
ハイキングシューズとして多くの方に支持されているメレルのカメレオンシリーズ。その第8世代がコチラのシューズです。人を選ばない履き心地やデザインはグッド♪6色展開されており選択肢が多いので自分にピッタリの色が見つかるのではないでしょうか。GORE-TEXもしっかり使われているので雨の日でも安心です!
見た目も性能も妥協したくない「KEEN VENTURE」
キーンから2019年に発表されたモデル「VENTURE」。デザインが洗練されていて格好いい。もちろん性能にも妥協はなく、キーン独自の防水透湿素材「KEEN DRY」を採用しており防水性能はしっかりカバー。それに加えて劣化しにくく軽い素材も使われていて、まさしくキーンのテクノロジーを結集して作られたような一足になっています。見た目も性能も妥協したくない、そんな欲張りなあなたにはオススメです!(笑)
選ばれし者のみが履ける「LA SPORTIVA TX5 LOW GTX」
最後にラ・スポルティバの一足です。TX5 GTXはラ・スポルティバの中でも人気のあるシリーズでTX5 LOW GTXはそのローカット版です。何といってもラ・スポルティバといえば、「高級な登山靴」というイメージが強いのですが、なんとかこのTX5 LOW GTXであれば2万円台で手を出すことができます。マウンテンブーツなんかは5万円とか、、私のような庶民では手が出ません(笑)
もちろんお値段相応の性能、履き心地はしっかり備わっており、ベテラン登山家で好んで履いている人も多いそうですね。
とにかく良いものが履きたい!なんて人にはもってこいの登山靴だと思います。
より快適で楽しい登山を
今回はローカットシューズを取り上げてご紹介しましたが、なにもミドルカットやハイカットシューズがダメなわけではありません。ケガしずらかったり、長時間の歩行に向いていたりしますのでメリットはたくさんあります。むしろこれから登山を始めるという人にはそちらの方があっているかも知れません。
ただ、技術の進歩やより軽く快適にと考える人たち(いわゆるウルトラライトハイクなど)が増えてきたことからローカットシューズも十分に視野に入れてもいいレベルまでに普及してきたかと思います。私も次はLA SPORTIVAのシューズを買おうかなと考えています。みなさんもぜひ次の一足はローカットシューズにしてみてはいかがでしょうか?(^^)
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今回紹介したアイテム
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